外出先から自宅のパソコンを電源ON(Wake ON LAN)

前回、iPhoneでパソコンの電源をONする方法を紹介しました。
WindowsをiPhoneでPowerONする(Wake On Lan)

この方法は、基本的に自宅にいるときしか使えません。でも、場合によっては外出先から自宅のパソコンの電源をONしたい時とかあります。

たとえば、出張先から自宅パソコンのデータや動画を観たい時とか。実はこんな事も簡単にできます。

用意するのは、Wake ON LAN(略してWOL)に対応したルーターです。 今回は、BUFFALOのWHR-G301を使いました。低価格の割に高機能なルーターです(他のルーターも同じ様に設定すればできます。もちろん、WOLに対応してないとだめですが)

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概要

外出先からは家のルーター(今回の場合はWHR-G301)にブラウザでアクセスします。ブラウザ上にルーターの管理画面が出るので、そこからルーターに『パソコンの電源をONにしろ!』という命令を与えます。

そうすると、ルーターはパソコンに対して『電源をONにしろ!』という信号を発信し、見事パソコンの電源がONになるという手筈です。

準備

準備は大きく分けてこの2つです。

  • パソコンのWake On LAN設定
  • ルーターに外出先からアクセスできるようにする設定

 

パソコンのWake On LAN設定

パソコンのWake On LAN設定は前回と同じです。こちらを参考にしてパソコンの設定を行ってください。 WindowsをiPhoneでPowerONする(Wake On Lan)

ルーターに外出先からアクセスできるようにする設定

まず、パソコンからルーターの設定画面に入ります。ブラウザ(Internet Explorerなど)のアドレスバーに http://<ルーターのIPアドレス> と入力し、Enterを押してください。

ルーターのIPアドレスはルーターのマニュアルを見てください。どうしても分からない人は、以下の様にして調べてください。

  1. コマンドプロンプトを立ち上げる
  2. ipconfig /allと入力してEnterを押す
  3. 表示された情報の中に[デフォルトゲートウェイ]という項目を見つける

この[デフォルトゲートウェイ]が(多分)ルーターのアドレスです。そうそう、コマンドプロンプトの立ち上げ方が分からない人は、こちらを見てください。 コマンドプロンプトの立ち上げ方法

僕の場合、[デフォルトゲートウェイ]は192.168.0.1でした。なので、ブラウザのアドレスバーに http://192.168.0.1 と入力してEnterを押します。

そうすると、IDとパスワードの入力画面になるので、IDとパスワードを入力してください。ID、パスワードを設定した記憶の無い方は、出荷時のIDとパスワードになっていると思います。出荷時のID、パスワードはマニュアルを見てくださいね。 これでルーターの設定画面に入れます。こんな画面です。

wol2_01_top.png

ルーターの設定画面に入ったら、まず、ルーターのパスワードを設定しましょう。というのも、この後で外出先からこのルーターの設定画面に入れる様にします。その時、パスワードが無かったら、ハッカー(正確にはクラッカー)の餌食になってしまいます。

という事で、パスワードを設定します。 設定画面上の[管理設定]をクリックします。次に[パスワード]をクリックします。

wol2_02_password.png

 

この画面の[管理パスワード]を入力し、[設定]を押します。 一旦、ログアウトするので、先ほど設定したパスワードを入力して再度、ルーターの設定画面に入ってください。

ルーターの設定画面に入ったら、外出先からルーターの設定画面に入れる様にします。設定画面上の[管理設定]をクリックし、[アクセス]をクリックしてください。 次に[Internet側リモートアクセスを許可する]にチェックを入れて、許可ポートに80と入力します。

wol2_03_internet.png

 

この[Internet側リモートアクセス]というのが“外出先からルーターの設定画面に入れるようにする”という意味です。[ポート]に80と入れるのは、外出先からブラウザでルーターにアクセスするための設定です。

ここまでやれば、ルーターの設定は完了です。[ログアウト]をクリックしてルーターの設定画面を抜けてください。

次は、ルーターのIPアドレスを調べます。 IPアドレスというのは、インターネット上の住所の様なものです。

IPアドレスはルーターの設定画面からでも調べる事が出来るのですが、もっと簡単な方法があります。それが診断くんです。 http://taruo.net/e/

このサイトにアクセスすると、ルーターのIPアドレスが分かります(ただし、プロキシサーバーを使っているとこの方法では調べる事が出来ません。まぁ、プロキシサーバーを使ってる様な人なら自分で調べる事できますよね^^ )

診断君にアクセスすると、こんな画面になります。赤丸で囲ったところがルーターのIPアドレスです。

wol2_04_tarou.png

 

この場合、173.13.200.181がルーターのIPアドレスです。一応言っときますが、このアドレスは単なる例ですのであしからず

このアドレスを控えておきましょう。

ではでは、いよいよ外出先から自宅のパソコンの電源をONします。外出先から先ほど調べたIPアドレスにブラウザでアクセスします。もちろん、パソコンからでも、iPhoneからでもブラウザが使えれば何でもOKです。

今回はiPhoneを使ってみましたSafariを立ち上げて、[このアドレスを開く]に http://<ルーターのIPアドレス> と入力して、[Go]ボタンを押します。

今回の例では、 http://173.13.200.181 ですね。

そうすると、IDとパスワードを入力する画面が出るので、先ほど設定したパスワードを入力してください。IDとパスワードがあっていれば、何度も見た管理画面が表示されます。

wol2_05_top.png

 

この管理画面一番下のネットワークサービス一覧をクリックします。 そうすると、こんな画面が表示されます。

wol2_06_wol.png

 

左側の[パソコン名]から電源をONしたいパソコンを探し、[サービス]欄のWOLと書かれたアイコンをクリックします。

これで指定したパソコンの電源が入るはずです!! 外出先で自宅パソコンの中の資料を見たくなった時、出張先から自宅パソコンの動画を観たくなった時、そんな時にとても便利です

 

注意点

注意点が二つあります。 まず一つ目はセキュリティに関してです。

ここでご紹介した方法では、外出先からルーターの設定画面を開く際のID、パスワードが暗号化されません。ネットワーク上をID、パスワードがそのまま流れますので、セキュリティ的にはかなり弱いです。

できれば、VPNを使った方がいいでしょう。ここで紹介したのはあくまで簡易的な方法です。

二つ目はルーターのIPアドレスに関して。

診断君でルーターのIPアドレスを調べましたよね?実はこのアドレス、プロバイダ(biglobeとかso-netとか)からの借り物なんです。

そのため、変わってしまう事があるんです。そこまで考慮するならDDNS(ダイナミックDNS)を使えばOKです。DDNSについてはこちらを見てください。 リモートアクセス|バッファロー・ダイナミックDNSサービス

今回使ったWHR-G301はDDNSに対応しています。 管理画面から、[Internet/LAN]をクリックして、その下の[DDNS]をクリックしてください。DDNSの設定を行う事が出来ます。詳しくはマニュアルを見てくださいね。